言語モデルとプロンプトの設定

言語モデルとプロンプトの設定

本ガイドでは、会話型AIプラットフォームであるmiiboの言語モデルとプロンプトの設定について解説します。miiboは、人間のパートナーとして活躍し、情報提供やコミュニケーション、AI開発をサポートします。このガイドでは、言語モデルの選択から高度なプロンプトテクニックまで明確に説明します。ご活用いただければ幸いです。

miiboで選ぶ最適な言語モデル:提供元別特徴と推奨モデルガイド

言語モデルの選択

OpenAI、Google、Anthropicなど、各社の強みを活かした言語モデルの特徴と活用法

AIチャットボット開発において、適切な言語モデルの選択は非常に重要です。今回は、miiboで利用可能な言語モデルの特徴と、目的に応じた最適な選び方を紹介します。各提供元の強みを理解し、コスト、精度、速度のバランスを考慮した言語モデル選択のポイントをお伝えします。

提供元別の言語モデル特徴

提供元別の言語モデルの特徴を紹介します。

OpenAI:高精度と多様性が強み

OpenAIの言語モデルは、高い精度と多様な用途への適応性が特徴です。

  • GPT-4
    • 最高峰の精度を誇り、複雑な指示も正確に理解します。
  • GPT-4 turbo
    • GPT-4に匹敵する精度でありながら、コストパフォーマンスが向上しています。
  • GPT-4o
    • GPT-4と同等の精度を持ちつつ、レスポンス速度が向上し、画像認識にも対応しています。
  • GPT-4o mini
    • GPT-4oより精度は若干劣るがコストが低く、高速なレスポンスが特徴です。

Google:革新的な技術と高速処理

Googleの言語モデルは、最新の技術を採用し、高速な処理が特徴です。

  • Gemini Pro
    • 高い精度と速度のバランスが取れています。
  • Gemini 1.5 Pro
    • さらに進化した性能で、複雑なタスクにも対応可能です。

Anthropic:倫理的AIと高度な推論能力

Anthropicの言語モデルは、倫理的な配慮と高度な推論能力が特徴です。

  • Claude-3シリーズ
    • Haiku、Sonnet、Opusの3モデルがあり、用途に応じて選択可能です。
  • Claude-3.5 Sonnet
    • 最新モデルで、さらに性能が向上しています

Groq:高速処理と効率性

Groqの言語モデルは、高速な処理と効率的なリソース使用が特徴です。

  • Llama 3シリーズ
    • 8Bと70Bの2モデルがあり、タスクの複雑さに応じて選択できます。
  • Mixtral 8x7B SMoE
    • 効率的なモデル構造により、高速な処理が可能です。

miiboが推奨する言語モデルと特徴

miiboでは、用途に応じて以下のモデルを推奨しています。

  • GPT-4o
    • 特徴:GPT-4に匹敵する精度で、コストも抑えられます。画像認識にも対応しており、多用途に適しています。
      • 精度:◎
      • レスポンス速度:◯
      • 消費ポイント:15
  • GPT-4o-mini
    • 特徴:GPT-4oの小型モデルで、精度は若干劣りますが、低コストで利用可能です。
      • 精度:◯
      • レスポンス速度:◎
      • 消費ポイント:5
  • GPT-4-turbo
    • 特徴:GPT-4に匹敵する精度を期待でき、コストパフォーマンスも良好です。
      • 精度:◎
      • レスポンス速度:△
      • 消費ポイント:20
  • GPT-4
    • 特徴:最高レベルの精度を誇り、複雑な指示にも対応可能です。ただし、コストは高めです。
      • 精度:◎
      • レスポンス速度:△
      • 消費ポイント:50

言語モデル選択のポイント

4つの視点から言語モデル選択のポイントを紹介します。

  • 目的に応じた精度の選択
    • 高度な推論や複雑なタスクには、GPT-4やGPT-4oを選択
    • 一般的な対話や情報提供には、GPT-3.5 turboやGPT-4o-miniでも十分な場合が多い
  • コストパフォーマンスの考慮
    • 予算に応じて、消費ポイントと精度のバランスを取る
    • 低コストで始めたい場合は、GPT-3.5 turboやGPT-4o-miniがおすすめ
  • レスポンス速度の重視度
    • リアルタイム性が求められる用途では、GPT-3.5 turboやGPT-4o-miniが有利
    • じっくりとした回答が必要な場合は、GPT-4やGPT-4 turboも検討
  • 特殊機能の必要性
    • 画像認識が必要な場合は、GPT-4oやGPT-4 visionを選択
    • 倫理的な配慮が特に重要な場合は、Claudeシリーズも検討
miiboのプロンプト設定完全ガイド:AIチャットボットの性能を最大化する方法

プロンプトの基本設定

ベースプロンプトから追記プロンプトまで、プロンプト構成の全貌を解説

miiboで高性能なAIチャットボットを作るための核心、プロンプト設定について詳しくご紹介します。プロンプトの基本から応用まで、miiboの機能を最大限に活用するためのテクニックをお伝えします。

プロンプトの基本:AIチャットボットの個性を作り出す

プロンプトは、AIチャットボットの「性格」や「専門知識」を決定する重要な要素です。miiboでは、「プロンプトエディタ」を使って、AIへの指示文を自由に記述できます。

例えば、カスタマーサポート用AIの場合、以下のような要素を含めることが重要です

  • ロール
    • AIの役割(例:「miiboのカスタマーサポートを行うAI」)
  • 制約条件
    • 回答の範囲や禁止事項
  • 口調
    • 親しみやすい話し方の例
  • 行動方針
    • 対応の基本ルール

これらの要素を組み合わせることで、ユーザーのニーズに合った独自のAIチャットボットを作成できます。

miiboのプロンプト構成:5つの要素で性能を最大化

miiboのプロンプトは、5つの要素で構成されています。各要素の役割と設定のコツをご紹介します。

1. ベースプロンプト(システムプロンプト)

AIの基本的な振る舞いを決定する最も重要な部分です。ここでは、AIの役割、制約条件、口調、行動方針などを詳細に記述します。

2. 前提データプロンプト(自動挿入)

RAG(Retrieval-Augmented Generation)機能を使用して、外部データを自動で挿入する領域です。AIに専門知識を与えるのに重要です。

3. 会話履歴

直近のユーザーとAIの会話が格納されます。文脈を理解し、一貫性のある応答を生成するのに役立ちます。

4. 追記プロンプト

プロンプトの最後に追加される指示です。特に重要な指示や、口調の最終調整などに使用します。

5. 検索クエリー生成プロンプト

RAG機能で使用する検索クエリーを生成するためのプロンプトです。適切なクエリー生成により、より関連性の高い情報をAIに提供できます。

プロンプトの最適化:性能向上のためのテクニック

プロンプト最適化のための5つのテクニックを紹介します。

  • 具体的な例示
    • AIの理解を助けるため、具体的な対話例を含めましょう。
  • 段階的な指示
    • 複雑な指示は、段階に分けて記述するとAIが理解しやすくなります。
  • 定期的な見直し
    • ユーザーの反応を見ながら、プロンプトを継続的に改善しましょう。
  • RAGの活用
    • 最新の情報や大量のデータを効果的に利用するため、RAG機能を積極的に活用しましょう。
  • A/Bテスト
    • 異なるプロンプトの効果を比較し、最適な設定を見つけましょう。
AIチャットボットの可能性を広げる6つの機能

プロンプトの高度なテクニック

ステート管理から文脈リセットまで、AIチャットボットの性能を飛躍的に向上させる実践的アプローチ

miiboの高度なプロンプトテクニックについてご紹介します。これらの機能を使いこなすことで、AIチャットボットの可能性をさらに広げることができます。初心者の方から上級者の方まで、きっと新しい発見があるはずです。一緒にmiiboの機能を深く掘り下げていきましょう。

1. ステートの記録:AIに記憶力を与える

ステートの記録は、AIにユーザーごとの情報を記憶させる機能です。これにより、AIは会話を通じて得た情報を保存し、後の対話で活用することができます。

ステートの記録方法

  1. 基本的な方法: プロンプトに「ステートに記録」という指示を含めます。例:
会話の度に、その時点のユーザーの感情をステートに記録してください。
キー名は「感情」です。会話の内容から感情を予測して記録してください。
感情が不明な場合は「不明」と記録してください。
  1. 厳格な方法(上級者向け): #{KEY:VALUE} の形式で出力させることで、より柔軟なステート記録が可能です。例:
応答の文末には毎回必ず下記のフォーマットで、その時の感情を出力してください。
フォーマット
#{感情:<現在の感情>}

2. ステートの活用:パーソナライズされた対話の実現

記録したステートは、プロンプト内で変数として活用できます。これにより、ユーザーごとにカスタマイズされた対話が可能になります。

ステートの活用方法

プロンプト内で #{ステート名} の形式で使用します。例:

ユーザーの趣味: #{ユーザーの趣味}
ユーザーの通勤方法: #{ユーザーの通勤方法}
ユーザーの特徴: #{ユーザーの特徴}

上記の情報を元に会話を行ってください。

3. ステートの記録と活用:AIの記憶力を最大限に活用

ステートの記録と活用を組み合わせることで、AIの「記憶力」を最大限に引き出すことができます。これにより、より自然で文脈に沿った対話が可能になります。

活用例

下記はユーザーの現在の困りごとです。
ユーザーの困りごと:#{困りごと}
上記の困りごとを解決するようなアドバイスを行ってください。

会話の進行と共に、ユーザーが困っていることを100文字程度で要約してステートに記録してください。
キー名: 困りごと

このように設定することで、AIは前回の会話で記録した「困りごと」を参照しながら、新たな「困りごと」を更新していくことができます。

4. 時刻の挿入:リアルタイムな対話を実現

miiboでは、プロンプト内に現在時刻や日付を挿入することができます。これにより、AIに「今」という概念を与え、よりリアルタイムな対話が可能になります。

時刻挿入の方法

  • @{now}: 現在の日時(UTC)
  • @{now-jst}: 現在の日時(日本時間)
  • @{yesterday}: 昨日の日付
  • @{tomorrow}: 明日の日付
  • @{day_of_week}: 現在の曜日

例:

現在の日時は、@{now-jst}です。
上記の日時を考慮して会話を行ってください。
前提データや参考資料を参考にする際、現在の日時に近い情報を優先して参考にしてください。

5. 動的クイックリプライ:ユーザー体験を向上させる

クイックリプライは、ユーザーに次の発話候補を提示する機能です。プロンプトを使って動的(会話の流れに応じて自動で)にクイックリプライを生成することで、より柔軟な対話が可能になります。

クイックリプライの生成方法

  1. 基本的な方法:
ユーザーの質問に回答をした後、クイックリプライを表示してください。
クイックリプライの数は4つです。
  1. 高度な方法:
ユーザーの質問に回答をした後、ユーザーがAIに次でするであろう質問を予測して候補を4つ下記のフォーマットで出力してください。
フォーマット
@{option:<発話候補となる質問>}

6. 文脈のリセット:新しい会話の始まりを作る

長時間の対話で文脈が複雑になった場合、AIに会話履歴をリセットさせることができます。これにより、新しい話題への切り替えがスムーズになります。

リセット方法

プロンプトに以下の指示を含めます:

会話の文脈が変わり、話をリセットすることが必要となった場合は、他の応答の後に「@{reset_history}」と出力してください
よくある質問

FAQ

言語モデルの設定から高度なプロンプトテクニックの内容をカバーしています。

言語モデルとプロンプトについてよくある質問です。参考にしてください。

Q
言語モデルの選択を途中で変更することは可能ですか?
A

はい、可能です。miiboでは、エージェントの設定画面から言語モデルを変更することができます。ただし、変更後は新しいモデルの特性に合わせてプロンプトの調整が必要になる場合があります。

Q
プロンプトが長くなりすぎた場合、どのように最適化すればよいですか?
A

プロンプトが長くなりすぎた場合、以下の方法で最適化できます。

  • 優先順位付け:最も重要な指示を前半に配置
  • 簡潔な表現:冗長な表現を避け、簡潔に記述
  • 例示の厳選:本当に必要な例のみを残す
  • 構造化:見出しや箇条書きを使って構造を明確に
  • モジュール化:共通の指示をテンプレート化し、必要に応じて組み合わせる

また、RAG機能を活用して、詳細な情報は外部データとして管理し、プロンプト自体はコアな指示に絞ることも効果的です。

Q
RAG機能を使う際の注意点はありますか?
A

RAG機能を使用する際は、信頼性の高い情報源を選択することが重要です。また、検索クエリー生成プロンプトを適切に設定し、関連性の高い情報が取得できるよう調整しましょう。

Q
ステートの記録は全てのユーザーに共通のものになりますか?
A

いいえ、ステートはユーザーごとに個別に記録されます。そのため、各ユーザーとのやり取りをパーソナライズすることが可能です。

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